不動産投資のローン

不動産投資のローンを考えてから必ず知っておくべき7点

不動産投資ローンについて、借入金を借りることのメリットとともに、借入過多に陥った時のデメリットについてまとめています。最終的には物件の良し悪しの見る目も資金調達能力に連動していくことも紹介します。

不動産投資を行うには、まずは資金調達

ローンを考えたら

商売を始めようとする時に必要となるのはお金です。自己資金でまかない切れない場合は、銀行からの借入を行います。不動産投資も同じで、ます最初に乗り越えなければならない壁として資金調達があります。

不動産は金額が大きいため、殆どの人はローンを組んで投資を行うことになります。そこで今回は不動産投資のローンを考えてから必ず知っておくべき7点について説明していきましょう。

不動産投資のローンについて知っておくべき7点

1) レバレッジ効果のメリット

最初に借入をすることのメリットを説明します。ここで、例えば同じ表面利回りが10%で1億円と3億円の物件があったとします。自己資金1億円を持っている人が1億円の物件に投資したら売上は1,000万円となります。

一方でプラス2億円の借入金を追加して3億円の物件を購入したら売上は3,000万円となります。ここで2億円の借入を十分に返済できるのであれば、借入を行って3億円の物件を購入した方が収益は大きくなります。これをレバレッジ効果と言い、自己資金と借入金を併用して収益を上げることが可能となります。

2) 相続対策のメリット

次に相続を考えた場合、借入金は資産のマイナス項目となり相続税対策に繋がります。特に投資物件の場合は、建物に借家権割合による評価減が発生し、土地にも貸家建付地のよる評価減が発生します。さらに評価額から借入金の額も控除されますので、場合によっては資産の評価額がゼロになるケースもあります。借入金を用いることで相続税を支払うことなく相続人に資産を渡すことも可能なのです。

3) 厳しいローン審査

3つ目以降は注意点を述べます。まず、審査基準が住宅ローンと異なる点です。住宅ローンは本人の収入が重要になりますが、不動産投資ローンでは物件の収益力が重要となります。不動産投資も賃貸事業と言う一つの事業のため、他の商売で借入を行うのと同様に将来に向かっての収益性が重視されます。立地の悪い物件や、空室が多い物件、築年数の古い物件というような今後収益性が悪化する可能性が高い物件については、審査が厳しくなります。

4) 長いローン期間

4つ目は、ローン期間が長い点です。不動産投資ローンは元利均等返済が多く、ローン期間も25~35年と長期で組まれます。つまり返済金額は長期間にわたってほぼ一定額が発生します。

しかしながら、新築物件であっても築25年も経てば、賃料は下がり、空室も多くなるため、収入が減ります。そのため借入金が大きいほど後半戦になってから返済が苦しくなります。

5) 黒字なのに返済がきついこと

5つ目としては、黒字なのに返済がきつい現象も現れるという点です。返済金の中で、支払利息は経費になりますが、元本の返済については経費になりません。そのため、不動産賃貸事業そのものが黒字であっても、返済金を加味したキャッシュフローはマイナスということはあり得ます。

特に築年数が経つと減価償却費が少なくなるため、収入が減っても利益が大きくなり、税金の支払い額が増えるという逆転現象が生じます。その際、借入金が大きいと、手元資金が少ないのに返済額が大きいという苦しい経営状況に陥ります。

6) なかなか減らない借入と物件価格の下落の関係

6つ目は、途中で売却しようとする際に、借入金残高を返済しきれないケースがある点です。これも借入金が大きすぎると生じる現象です。投資物件のうち、特に建物は経年劣化と共に価値を下げていきます。また築年数が経つと、賃料収入が減り、投資家の要求利回りが上がるため、物件の収益価格は急速に下落していきます。

そのため借入金が大きすぎると価値の下落に元本返済額のスピードが追い付かず、物件価格の方が借入金よりも低くなる現象が生じます。

7) 自己資金の確保

7つ目としては、自己資金の確保です。自己資金が大きく、借入金が少なければ、上述のような借入金によるリスクはほぼ解消されていきます。築年数が経ったとしても、借入金が返済しきっていれば、リノベーションなどの新たな投資も可能になります。また解体資金も貯めることでき、取壊して新たな建物も建築することは可能です。通常、解体費用は借入が出来ないため、この段階でキャッシュが無いと八方ふさがりとなる可能性も出てきます。

まとめ:自己資金は多めに用意を!

以上、まとめますと、借入金にはレバレッジ効果や相続対策というメリットがある一方で、借入金が大き過ぎると、返済できなくなるデメリットも生じます。そのため、バランスよく自己資金を用意することが重要となります。

この自己資金ですが、リスクも少なく収益性の高い物件であれば、少なくても融資が通る可能性はあります。しかしながら、郊外の物件で築年数も古いような建物であればリスクも高いため、多くの自己資金が要求されます。そのため物件を見る目と資金調達は表裏一体の関係となります。

良い物件に巡り合うには時間がかかります。自己資金も貯めるのに時間がかかります。不動産投資は、じっくり準備をすることが重要と言えるでしょう。

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