不動産投資のリスクと落とし穴

不動産投資のリスクと落とし穴、気を付けたい5つのポイント

投資で大切な事は「どれだけ儲けるか」ではなく「どれだけリスクを減らすか」です。今回は、これから物件を手に入れようとする方が、不動産投資で損失を出して後悔しないためのポイントを具体的にお伝えします。

不動産投資は知っておくべきリスクがある

お金を預けるだけの投資ではない不動産投資

株式や投資信託、先物取引、不動産投資信託、FXなどは投資する時と売却の決断で収益が決まります。しかし、不動産投資は投資物件から継続的に収益を得なければなりませんので、自分自身が賃貸経営者となり多くの決断を行います。そして、その決断が上手くいけば収益は上がりますが注意すべきポイントやリスクを見極めることが出来なければ損失が出る可能性も高いです。これから、見落とすと大きなリスクにつながる5つのポイントをお伝えします。

不動産投資のリスクと気を付けたい5つのポイント

1)利回りが高いから投資物件と考えるのはリスクが大きい
掘り出し物と言われる高利回り物件のリスク

不動産投資情報を見て、高利回りというだけで「掘り出し物」「良い投資物件」を見つけたと思う方が多いです。確かに、ごくまれに入居率、収益率が高く物件価格も割安の物件もあります。

しかし、ほとんどの高利回り物件は大きなリスクを持っています。そのリスクとは「入居率が悪いから物件価格が下がり、賃料収入の割合が投資金額に対して高くなっている。」

つまり、人気がないから利回りが高くなっていると言えるでしょう。

利回りが高い物件については、期待できる物件ではなく入居者が定着しない等の問題がある物件と認識してください。

首都圏と地方都市の利回り相場の目安

日本国内で考えると、利回り相場の目安は大きく2つあると考えてください。1つが首都圏などの人口過密地帯、もう1つが地方都市です。(ここでは、地方都市は過疎化地域からの人口が集まっている地域を地方都市と考えます。)

首都圏では、表面利回り3%~7%が相場でしょう。今後継続的に安定した収益を出す物件であれば、表面利回り5%以上は難しい傾向にあります。

地方都市では、表面利回り7%~12%と首都圏と比べて高利回り物件が多いですが、先ほどお伝えしたように表面利回り12%以上の物件になると、空室が目立つ築年数が古い物件が多く、購入後のリフォームが必要となり入居者募集など賃貸経営が難しいでしょう。

2)節税対策のためと喜んで経費を払うべきではない
節税は大切ですが、リスクのある節税は問題

特に、サラリーマン大家さん対象の情報に「不動産投資で節税、手堅い投資法」というような内容がありますが、物件管理の為に車両を購入する、不動産投資セミナーや交流会に積極的に顔をだして経費で落とすという事が記載されています。

しかし、次のような出費があっても経費に余裕はありますか?

  • 「突発的な修繕費がかかる」
  • 「予想しない退去が発生した場合」

このような出来事は確実に起こるでしょう。後先考えずに経費を遣えば、本当に必要な時にお金がなかったり賃貸経営が大赤字になれば、投資を始めた事に意味がないどころか、金融機関からの属性がかなり低くなり、将来的に高額の物件に投資をする事が難しくなるでしょう。

そうならないためにも、積極的に節税するのではなく適切な賃貸経営を行う流れで経費が発生して、結果的に節税となるようにしましょう。

必要な経費を事前に把握するべき

賃貸経営において、必ず必要になる経費があります。その中でも金額的に大きな項目をお伝えします。

  1. 固定資産税、都市計画税
    毎年必ず必要になります。人気エリアになるほど課税価格は高くなるでしょう。
  2. 管理会社手数料
    家賃の5%から8%程が多いです。管理会社を通さずにご自分で管理をしている大家さんもいますが、基本は管理会社に委任すべきと考えてください。
  3. 水回り、外壁、リフォーム費用
    築年数の経過した物件はこのような工事をせずに売却する方法が一般的です。金額も大きいですので、見落とさないでください。
  4. 広告費
    入居率が低いとその分広告費もかかると考えるべきでしょう。

このような費用がリスクとして存在しています。不動産投資は経費に余裕がある訳ではないとおわかり頂けたと思います。

3)中古ワンルームマンション投資は要注意
少ない投資金額という甘い罠には乗らないように

中古ワンルームマンションは300万円~ありますので、初めて不動産投資をする方に人気があります。全額手持ちの資金で投資をするのであれば、やってみても良いかと思いますが、ローンを組んでまで始めるのはリスクが大きいです。その理由は、入居率が低い上に空室である場合は家賃がゼロ円になるからです。

日本には中古、新築問わずワンルームマンションが多数あります。ごく一部の人気エリアや新築物件であれば入居者募集は簡単です。

しかし、中古のワンルームは一度空室になるとなかなか入居者が決まりにくいと言えます。もし1棟買いをしていれば、収益はありますが、一部屋しか購入しない投資ですので空室になれば家賃はゼロです。

ローンを組んでいれば毎月ローンの支払いが必要ですので赤字になります。このような中古ワンルーム投資はリスクが高いですので注意して下さい。

4)管理会社選びを見落とすとどうなるか?
優良物件という理由だけで入居者は集まりません

不動産投資は物件で成功が決まると思われがちですが、物件選びと同じくらい管理会社選びは重要です。人気エリアで新築であっても入居者からの各種相談、清掃、セキュリティー対応等を迅速に行わなければ空室が増えます。

そのような対応はオーナーがするのではなく、管理会社が行います。つまり、入居者にとっては管理会社が大家さんになります。

親身になってくれる大家さんか冷たい大家さんかという違いが入居率に大きく関係するのは想像できるでしょう。管理会社が入居者にとって引っ越すかどうかの鍵を握っているという点を見落とさないで下さい。

5)見落としがちなローン金利について
収益の利回りばかり意識しない

利回りを考える場合に忘れてはならない事があります。それは、自分が組んだローンにも金利があるという点です。

簡単な例ですが、表面利回り5%の物件をフルローン3%でローンを組んだとします。

収益率は5%-3%=2%となります。

この2%から様々な諸経費を引きますので赤字となる場合もあるでしょう。自分が支払うローン金利を見落とさないようにしましょう。

これから不動産投資をスタートする場合の金利は高いリスク

近い将来、不動産投資をスタートする方は高い金利でしかローンを組むというリスクがあると考えて下さい。ローンの金利は属性もありますが、賃貸経営者としての実績を金融機関は判断します。

そうなると、当然ですがこれから投資を始める不動産投資家には金利を高めに設定します。平均的に2~3%の金利が契約内容となりますので、このようなリスクを踏まえて利回りを計算しましょう。

まとめ

収益ばかり考えると不動産投資は失敗しやすい不動産投資
1つ1つの判断を慎重にしましょう

不動産投資は優良物件を買えば終わりという投資ではなく、購入段階から賃貸経営において様々なリスクや落とし穴があるということをお伝えしました。

大切な事は、収益ばかりに気をとられてリスクや現実的な問題を見落とさないことです。

これから投資物件を判断する場合には、今回お伝えしたリスクをクリアできるかという事を前提として、結果的に利回りを考えて下さい。先に利回りから考えるやり方は避けましょう。

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