テープ起こしの副業

テープ起こし

テープ起こしは、官公庁や各種団体、出版社や議事録専門テープ起こし会社、企業内研修など様々な会議や研修会で録音された音声データを文字化する作業です。テープリライトという言葉で紹介されることもあります。

概要(テープ起こしとは)

  1. テープ起こしの歴史
    ワープロやパソコンが普及し始めた1980年代後半頃から、速記者に代わり一般的に行われるようになりました。県や市町村など官公庁も速記者を置かず、専門業者に委託するようになったのもこの頃からです。
  2. 文字化の種類と原稿作成法
    1. 粗起こし及び整理した原稿の作成(依頼者の要望に沿う)
      ①粗おこしとケバ取り
      ・音声をそのまま聞こえるまま聞き取り粗起こしとして全音声を文字化する。
      ・話し言葉のなかに登場する「そのう」や「あのう」など内容にまったく関係ない部分ケバ取りをする。
      ・同じ言葉の繰り返しなども同時に出てくる同じ語句は省く。
      ②原稿整理と要約文作成(最初に打ち合わせ)
      ・全文を文字化した後、書き言葉として読みやすいように整理する。
      ・要約整理した後、指定文字数に合わせて要約整理文を完成させる。
  3. [原稿作成のコツ関連サイト]
    1. 原稿作成のコツ
      http://www.tapeokoshi.net/kebatori.html
      テープ起こしネット
    2. 音声テキスト化のコツ
      https://chouseisan.com/l/post-16909/
      リクルート運営サイト

テープ起こしを始めるのに必要なもの・知識

  1. パソコンによる音声データ保存と再生
    カセットテープ再生時に使っていた高価なフットスイッチ付レコーダーは不要ですが、自分のパソコンでデジタル録音機(カセットテープも含む)の音声データを録音し再生するシステムの準備が不可欠です。
  2. パソコンで再生・キーボード入力に対応
    1. 自分のパソコンで音声再生ができること
      ①音声を「mp3」などのデジタルデータで預かる場合
      ・下請け作業であれば「音声」はデジタルデータで預かることが多いのでパソコンに保存し再生する。
      ・サウンドレコーダーやボリュームコントロールがインストールされているかなどの対応確認が必要。
      ②ICレコーダーなど録音機本体を預かる場合
      ・録音機とパソコンをつなぐ接続コード(市販)を用意する。
      ・個々のパソコンの仕様と接続コードの抵抗値などの影響もあるので確認しながら録音できる環境を作る。
    2. 音声録音と再生ができるようにするための具体例
      ①「おこしやす」「録音用ソフト」(無料・有料)のダウンロードや、「おこ助」の活用
      ・おこしやすは、テープ起こし業者も活用している(おこしやす2は長時間録音不可)
      http://www12.plala.or.jp/mojo/
      ・無料・有料ソフト(パソコン・録音で検索)の活用・・ベクターでフリーソフトダウンロード
      http://www.vector.co.jp/
      ・おこ助・・フリーソフトダウンロード後に「おこ助」で再生(使い方のヒントも参照
      http://okosuke.jp/
    3. インターネットにつながる環境
      データの受け渡し、ネット検索や言葉の調査・確認とともに、受注のしくみ構築に対応する。
  3. 受注のしくみ構築
    1. 在宅ワークの心構え
      ①納期管理と事故防止
      ・在宅の副業でも営業努力と受注に伴う納期管理は必須。
      ・預かったデータを誤って消してしまうなどの基本的な事故も避けなければならない。
    2. プロの原稿作成者としての自覚
      ①幅広い知識の吸収
      ・行政、経済、教育、社会問題など、あらゆるジャンルの言葉への興味と関心が持てる。
      ・インターネットを活用して「正しい言葉と表記」を調べる意欲がある。
      ②依頼者が求める納品形式に対応
      ・依頼者が求めるデータ形式(ワード、一太郎など)と納品媒体(メール、CDなど)に対応できる。
      ③法令順守
      ・守秘義務を伴う原稿も多く、主義義務を約束する書面を交わす場合もある。

収入アップのコツ

  1. 収入を増やすための3ステップ
    収入を増やすには、入力のスピードを速くすることが基本。そのうえで、原稿の整理技術などライティング力やDTP(紙面編集レイアウト)の向上、取引先の拡大といった3段階のステップで進めます。
  2. 入力スピードと編集能力向上
    1. 入力のスピード
      ①ブラインドタッチ入力
      ・1時間テープを4時間~8時間で仕上げる
      ・ローマ字入力の方がアルファベットや数字入力が容易。
      ②受注単価をあげる
      ・粗起こし(ケバ取りを含む)に加えて原稿整理要約文作成で単価アップ。
      ・DTP編集で印刷ページまで仕上げることで別途編集料加算も可能。
    2. 取引先の拡大
      下請け・ネット受注・直接取引があり、スキルや経験によって取引先の拡大は可能です。営業難易度も上がりますが直接取引の官公庁・各種団体、企業を増やせば受注金額は高くなります。
      ①下請け受注
      ・地元印刷会社・広告代理店などに営業
      ・テープ起こし専門業者に営業
      ②ネット活用によるクラウドサービスを活用した受注
      ・ランサーズ http://www.lancers.jp/
      ・クラウドワークス https://crowdworks.jp/
      ③直接取引
      ・地元にある官公庁や各種団体・企業などに直接営業
      地域の官公庁や各種団体との直接取引を増やす。

      テープ起こし専門会社の下請け作業だと、直取引の受注単価の4分の1以下になってしまいます。1時間1万2千円の直接取引なら、下請け作業だと3千円ほどです。

向いている人、向いていない人

  1. テープ起こしはパソコンスキルが高く、地道に何時間も同じ仕事ができる人。また、わからない言葉を曖昧にせず調べるなど、探究心も必要です。
  2. テープ起こしに向いている人、向いていない人
    1. 仕事をする環境
      集中できる場所と時間
      ・ヘッドフォン装着作業となるので周囲で子どもが騒いでいる場所や時間は不適。
      ・長時間(2時間程度~)作業が遮られない場所と時間の確保は必須。
    2. テープ起こしに向いたスキルと性格
      ①パソコン入力に慣れている
      ・速度を速めるためにはパソコンのブラインドタッチ入力ができるということも必要。
      ②地道な作業を長時間続けられる忍耐力
      ・テープ起こしは、聞こえにくい録音状態であっても言葉を一つひとつ聞き取っていく地道な作業の連続。③言葉や文章表現に対する向上心
      ・調べる、確認する、読んで確認する、というステップ確認も重要。

リスクと注意点

  1. リスクと注意点
    テープ起こしは新たな設備投資も必要なく、パソコン1台あれば自宅でいつでも始められます。しかし、だれでも簡単に仕事を獲得して副業収入が得られるわけではありません。

    1. リスク
      ①通信講座は受講料が5万円~、と高額。きちんと学ぶことも大切だが、即仕事の受注にはつながらないということを前提に情報を精査、自分に合う講座やプロへの道を決める意思が求められる。
      ・がくぶん・・技能認定試験があり受注への道も開かれているhttp://www.gakubun.net/pc/00000003/e/C180000/
      ・フラウネッツ・・在宅ワーカーや主婦を対象にしたネットワークで信頼性が高いhttps://www.fraunetz.com/
      ②「高額自給」「主婦に人気」の情報も氾濫
      ・高収入という言葉がネット上には多く注意が必要
    2. 注意点(実力は経験を積むこと)
      ①文字起こしデータの作成注意点
      ・10行程度ごとの行替え、句読点の位置、誤字脱字(変換ミス)などの基本
      ②原稿全体の概略の把握
      ・読み直して全体の概要とブロックごとの編成が大まか理解できればプロの文字起こしレベルに到達。
      ③依頼先クライアントの要請に応じた媒体での納品
      ・メールやFTPサーバーへの納品、CDにコピーなど要望に応じた納品に対応できるパソコンに関する知識やスキルも欠かせない。

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