マンションの電力自由化

気になる電力自由化、賃貸や分譲のマンションの場合どうなる?

マンションに住んでいる貴方、電力乗り換えを1戸建てと同じように出来るか心配ではありませんか?賃貸、分譲マンションに住んでいても同じ権利があります。ただし高圧電力自由化でマンション全体として電力契約をしている場合は個人で契約変更は出来ません。

賃貸、分譲マンションでも電力自由化を活用できる

電気の契約は個人単位

賃貸、分譲マンションのインフラ(電気、ガス、水道)の契約は個人単位となっています。ですから電力自由化が始まる2016年4月からは、電力会社を変更することができます。マンションの貸主(大家さん)や管理会社に断りを入れる必要はありません。ただしマンション管理組合で一括高圧電力の購入契約をしている場合は個人での契約はできません。

電気代は本当に安くなるの?

新電力が発表している電気料金を点検しますと、間違いなく「安く」なります。3%から8%程度は安くなりそうです。これは電力会社が自由に電気料金を設定できるようになったからで、特に電気を多く使っている人にはメリットがあります。その理由は、今までの電気料金計算は電気を多く使うと高くなる仕組みになっていたからです。(例えば東京電力の1KW当たりの電力料金は使用量120KWまで19.52円、120~300KWまで26円、300KW超えは30.02円)。ということは電気の使用量が少ない人は電気料金が上がる可能性があるとも言えます。

マンションでも電力自由化を活用する方法

その1)貴方の電気使用実績を確認する

自分を知ることから始めましょう。どれだけ電気料金を支払っているか?実績を知って下さい。現在地(電気料金の実績)を知らないと目的地(乗り換える電力会社)にたどり着けません。

また、2005年に高圧電力の自由化が先行して実施され、この時にマンション一括で契約している場合は、今回の電力自由化で個人的に電力の乗り換えは出来ません。マンションの管理会社に確認してみましょう。

その2)電力自由化、貴方の選択肢は3つ

電力自由化で迷っている貴方、選択肢は3つです。何を選択するかはライフスタイルや考え方で決まりますから、どの選択が一番良いかは一概に言えません。

  1. 既存電力会社との契約を継続
    この場合は何もしなくても良いです。自動的に契約更新となります。いろいろ考えるのは面倒と思っている人や、忙しくて電力自由化どころではないと考えている人は「既存電力会社」を選択して何も問題はないでしょう。
  2. 電力会社を変更(乗り換える)
    少しでも早く電気代を安くしたいと考えているなら、電力会社を乗り換えると5%程電気代を安くできそうです(月間で4~500円、年間で5~6千円)。ガスや携帯電話とのセット売りもお得かもしれません。乗り換える場合は新電力に「申請書」を出す手続きが必要になります。既存電力会社への連絡は不要ですが、スマートメーターを取り付ける日程連絡が既存電力会社からあります。スマートメーター取りつけ時には、お金は掛かりませんし在宅の必要もありません。
  3. しばらく様子を見てから電力会社を探す
    数多くの新電力が参入しますので選択に迷っている場合は、2016年4月時点では様子をみて、新電力の実力を見て切り乗り換えを決めましょう。これも賢明な選択です。
その3)悪徳業者には注意

スマートメーター設置でお金を請求する「悪徳業者」「詐欺商法」が横行していますので騙されない様にしましょう。スマートメーターは電力会社(正確には配送電会社)の資産ですから個人負担は「0円」なのです。なおスマートメーター設置が電力会社乗り換えの必須条件ではありません。

その4)電力自由化のデメリットを知る
停電が起きる可能性は高くなる?

新電力に乗り換えて一番心配な事は「停電」ではないでしょうか?心配はいりません!たとえ貴方が契約した〇〇〇電力が倒産や事業撤退しても、従来の既存電力会社が肩代わりして電力を供給してくる仕組みが出来上がっていますので安心です。

電力自由化のアメリカで起こった2003年の大停電を思い浮かべて心配している人も多いかもしれません。しかし日本では大停電は起こりません。既存電力会社の送配電部門(東京電力は分社化で送配電会社を設立します)が責任を持って送電線や配電網を保守管理することになっています。

将来、電気料金が上がる可能性は?

将来の電気料金と電力自由化とは直接関係はありません。電力自由化は一般消費財と同じく電気も自由取引ができると言う仕組み作りなのです。電力市場の基盤整理と言っていいでしょう。

電気料金はいろいろな要素で決まります。電気は水力、火力、原子力、風力、太陽光、地熱、バイオマスなど発電方式が多様で、電力のコストも違っています。日本は原子力発電の稼働率が低い為、現在は火力発電に頼っています。ですから「燃料費」が電力コストに大きな影響を与えます。

日本は火力発電燃料(石油、石炭、LNG)を海外からの輸入に頼っています。ですから為替相場(主として円と米ドル)に敏感に反映されます。

新電力との契約、解約金は発生するの?

サービスの内容で解約金が発生するかどうかが決まります。携帯電話のように2年契約を条件とし割引が発生する料金体系なら解約金が発生します。しかし電力の場合はインフラ(送配電網、電気メーター、屋外配線)が全て電力会社持ちとなっていますから、解約金を取る電力会社は少ない、むしろ特殊であると考えて間違いありません。しかし調査や契約の段階でシッカリと確認はしておきましょう。

電力会社間での競争が激化して倒産は?

電力自由化で既存電力10社間でも競争が始まります。特に首都圏(人口3000万人、約2兆円市場)をターゲットにした動きがあります。既存電力会社も淘汰されていくかもしれません。

まとめ

マンションでも電力自由化の活用を検討してみましょう

賃貸や分譲マンションでも一戸建て住宅と同じ恩恵を受ける電力自由化が目前です。自分の価値観にあった電力会社と契約しましょう。ただしすでにマンション管理組合として一括契約をしている場合には個人で契約の変更は出来ません。

電力は電力会社と個人が契約しているなら、乗り換えは自由です。電力会社の変更は2016年4月以降、いつでもできます。正しい情報を知って「デマ」には惑わされずに、貴方にあった電力会社を選択し、安い電気を使いたいものです。

自然エネルギー、再生可能エネルギーは停滞する?

電力自由化でコスト優先となれば太陽光発電などコストの高い発電方式が淘汰させる可能性もでてきます。折角、太陽光発電買い取り制度ができて、太陽光が急速に拡大しつつあるのですが、電力自由化で水を差されることがないような政策続行を望みたいですよね。

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