不動産投資に向けて収支計画を立てよう
不動産投資を副業として行う場合、必要な準備として収支計画を一つとして挙げました。収支計画では、見込みの家賃収入だけでなく、諸費用や税金を考慮しなければなりません。実際に不動産投資をし始めるとより具体的な数値を入れて収支を計算できるようになりますが、投資前ですので、ある程度大雑把な計画から始めます。ここでは、収支計画と立て方や自己資金の必要性について解説していきます。
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目次
目的や目標を達成するために具体的な収支計画を立てる
収支計画はエクセルなどで簡単に作成することができます。これから不動産投資をはじめようとしている方にとってはどのように作成すればよいか戸惑うかもしれません。実際には簡単な表を作成しておき、セミナーなどで情報を得たときに修正し、より良い収支計画にします。
<収支計画 例>
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初年度 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
6年目 |
10年目 |
家賃収入 |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
水道光熱費 |
30 |
30 |
30 |
30 |
30 |
30 |
30 |
固定資産税 |
30 |
30 |
30 |
30 |
30 |
30 |
30 |
ローン支払 |
20 |
20 |
20 |
20 |
20 |
20 |
20 |
修繕費 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
100 |
購入時経費 |
300 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
収支 |
▲280 |
20 |
20 |
20 |
20 |
20 |
▲80 |
準備期間で自己資金を用意する
現在、全く不動産投資で運用する資金がないとします。
これから不動産投資を始めようとする方は、収支計画や情報収集など事前準備が必要ですので、どのみちすぐに投資ができる訳ではありません。そこで不動産投資の準備をする一方で一定額の自己資金を貯める期間とします。
例えば、毎月3万円貯蓄すると、3年で108万円準備できます。毎月5万円なら180万円です。物件価格の2割ほどは用意したいところです。物件価格にもよりますが、賞与全額を貯蓄すれば3~5年で準備できる金額です。
自己資金を準備した方がいい理由は?
前提条件は以下として、
- 物件価格3,000万円
- 借入期間35年
- 金利3%
- 自己資金では500万円を投入
自己資金の有無で比較したものが次の表です。
<自己資金の有無による返済額の違い>
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毎月返済額 |
総返済額 |
A 自己資金あり |
9.7万円 |
4,041万円 |
B 自己資金なし |
11.6万円 |
4,850万円 |
差額 |
1.9万円 |
809万円 |
当然ではありますが、自己資金を投入した方が、毎月返済額と総返済額は、自己資金がない場合と比べて負担は軽くなります。長期的に見ますと、自己資金500万円用意すると、309万円の利息負担額が軽減できます。
次に、この物件から得られる家賃収入が年間240万円(月20万円)だったとします。家賃収入で比較したものが次の表です。
<自己資金の有無による収支の違い>
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家賃収入 |
毎月返済額 |
月収支 |
A 自己資金あり |
20万円 |
9.7万円 |
10.3万円 |
B 自己資金なし |
20万円 |
11.6万円 |
8.4万円 |
必要経費は月収支から支払うことになります。「自己資金あり」の場合は月10.3万円までは必要経費を支払えますが、「自己資金なし」は8.4万円までです。家賃収入の低下や必要経費の上昇による収支への影響は「自己資金あり」の方が小さくなります。
長期的に見て、収入の減少リスクに対応するためには、できるだけ自己資金を用意した方がいいことがわかります。
自己資金を準備した場合とフルローンにした場合の違い
手持ち資金の有無にかかわらず、ローンを組む方法があります。
不動産投資においてローンを組む理由は何でしょうか?自己資金1,000万円で不動産投資をする2つのパターンを見てみましょう。
<自己資金の有無による収支の違い>
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年間家賃収入 |
年間支払利息額 |
表面利回り |
1,000万円の物件 |
72万円 |
- |
7.2% |
3,000万円の物件 ※2,000万円借入 |
216万円 |
59.6万円 |
7.2% |
表面利回りは、諸経費等を考慮しない利回りで、次の式で算出します。
- 表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100
次に収益に対する自己資金の割合を算出します。
<収益に対する自己資金の割合>
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年間家賃収入 |
年間支払利息額 |
年間収益 |
表面利回り |
1,000万円の物件 |
72万円 |
- |
72万円 |
7.2% |
3,000万円の物件 ※2,000万円借入 |
216万円 |
59.6万円 |
156.4万円 |
15.64% |
自己資金が同じでも、借入れをして物件価格の高い不動産に投資をすることで表面利回りが高くなります。このことだけ考えますと、自己資金を頭金としてなるべく借り入れをして規模を大きくした方が大きな収益を生むことがわかります。これをレバレッジ効果といいます。
自己資金を使用するかどうかの判断は?
借入れをして自己資金以上の投資をすることでより大きな利益を得ることができることを説明いたしました。一方、自己資金があれば、毎月の返済額が減り、収入減少によるリスクに対応しやすくなることも紹介しました。
ここではレバレッジ効果を採用する理由について考えてみたいと思います。
レバレッジ効果を使う理由 1
レバレッジ効果は自己資金が少なくても高い物件を購入し、利回りを追求することができます。たとえ収益が悪化したときに給料で補てんする覚悟があり、本格的に不動産投資に参入したい方には向いているでしょう。
レバレッジ効果を使う理由 2
レバレッジ効果により貯蓄をする期間を削減することができます。貯蓄で時間を使ってしまうと不動産投資をする機会が失われる方には向いているでしょう。ただしリスクへの対応もしっかり行う必要があります。
自己資金を準備し、収支計画を立てる時期は柔軟な考えをもつ
不動産投資へ向けての準備期間は2,3年かかるかもしれません。自己資金を貯め、収支計画を立てると、すでに「投資をしない」という選択肢を選べない場合もあります。
書籍やセミナーで情報収集する期間 (詳細は<不動産投資を副収入とするために必要な準備とステップ>)はまだ不動産投資についてはっきり認識できていなくても、収支計画を立てる期間で初めて不動産投資についての全体像が見えてくるものです。
この計画期間を通じ、不動産投資のメリットとデメリットを改めて考えることで、自分にふさわしい投資先かどうかの判断ができるようになります。不動産投資をするにしても、どのようなスタイルで投資をするのが自分に合っているかを見極めることが大切です。
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