タンス預金も危険?マイナンバー制度で預金は全部バレる?
2016年1月より、マイナンバー制度の運用が開始されました。このマイナンバー制度により2018年からは預金口座も管理されることが予定されています。果たして預金は全部ばれるのか、タンス預金はどうなるかについて解説していきます。
マイナンバーと預金口座の紐づけはいつから始まる?
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2018年以降任意で紐づけの適用開始
改正マイナンバー法により、新たにマイナンバーが銀行等の預金口座に紐づけされることになりました。2018年以降に開始予定で、現状その紐づけは任意とのことです。
これを聞く限り、任意だから拒否すればいいのではないかと思いますが、政府は2021年ごろを目途にその紐づけを義務化する方向で調整しているようです。
預金の口座番号のみが紐づけされるのか、残高や入出金の履歴まで紐づけされるのは定かではありませんが、世間の関心は非常に高いようです。
マイナンバー制度で預金は全部ばれるのか
[春日部夏休み] Business is Good / scion_cho
そもそもマイナンバー制度とは
マイナンバー制度とは、全国民に12桁の個人番号を付け、その番号を社会保障、税、災害対策の分野で利用することにより、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現することを目的とする制度です。
すでに昨年の10月ごろより、各市町村から世帯別に個人番号が通知されています。すでに自分の個人番号、すなわちマイナンバーを確認された方も多いのではないでしょうか。
現状、マイナンバーは上記3分野の中で法律に定められた行政手続きにしか使うことが出来なくなっております。
年金の資格取得や雇用保険の受給、確定申告書へのマイナンバーの記載、被災者台帳の作成事務といったことがそれにあたるそうです。
マイナンバー制度適用拡大の動き
マイナンバーは今後、制度適用の拡大が見込まれています。すでに改正マイナンバー法により、当初と比較して前述の預金口座や、「メタボ検診」・「予防接種」の記録もマイナンバーと紐づけられることが決定しました。
今後も民間利用への拡大等、マイナンバー制度が適用される分野の拡大は進んでいくものと思われます。
また、個人情報保護法の改正も同時に行われました。改正内容の中で注目すべき点は、情報を匿名化し本人の同意なしで外部に提供するという「匿名加工情報」の枠組みがなされたことです。
これらのことからも分かるように、私たちの情報は今後より一層管理されていく世の中になりそうです。民間への利用が進めば、電子マネーにマイナンバーが紐づけられる可能性さえ出てきます。
なぜ預金口座はマイナンバーと紐づけられるのか
預金口座へのマイナンバーの付番については表向き、次の2つが理由として挙げられています。
- 預金保険機構等がペイオフを実施するための預金額の合算の際、マイナンバーを利用可能とする
- 税務調査や、社会保障のための資力調査の際、マイナンバーと紐づけられた預金情報を効率的に運用することが出来る
その他、噂が囁かれているものとして、「預金口座の残高」に課税するというものがあります。あくまで噂ですが、預金口座の残高に応じて税金を課税することが出来れば税収の増加にもつながります。
ただし、全ての口座をマイナンバーと紐づけることが出来なければ、国民間で不平等な制度となります。また、資産の持ち方が現金であるか預金であるか、あるいは電子マネーであるかなどによって税負担が変わるのは、「課税の公平」という税金負担の大原則からも外れてしまうものです。
現状、「預金口座の残高」への課税はあくまで噂の域を出ないものであり、「将来の可能性の1つ」であるという程度のものと考えられます。
マイナンバーが預金と紐づけられると
マイナンバーと預金が紐づけられるとどうなるのでしょうか。
税金の面では税務調査時に、税務署は預金口座を簡単に調べることが出来るようになります。今までも税務署は預金口座の情報について金融機関を通じて入手していましたが、今後はその精度がより高くなります。
現状、預金口座のみにマイナンバーが紐づけられるのか、預金の入出金履歴にまでマイナンバーが紐づけられるのかは分かりません。仮に入出金履歴にまでマイナンバーが紐づけられるのであれば、預金口座を通した取引は全て税務署に把握される可能性が出てきます。
そうなってしまうと、預金からの出金も把握されてしまうため、「タンス預金」というものも把握されてしまう恐れがあります。
マイナンバーが導入される前でさえ、税務調査時に税務署の職員は目立った入出金の履歴をかなりの確率で把握していました。
どこまで預金口座は紐づけられるか
果たして全ての預金口座がマイナンバーと紐づけられるか、大変興味を持たれることです。現状考えられるのは、新規口座を開設した場合はマイナンバーと紐づけられる可能性が高いということです。
証券会社の口座とマイナンバーへの紐づけはすでに開始されており、新規口座を開設する際、マイナンバーの提出が求められます。銀行などでもこの方法が取られるのではないでしょうか。
既存の預金口座の紐づけは果たしてどうなるのか、確定事項はありません。銀行側としては、ペイオフ解禁時の「名寄せ」に膨大な労力とコストを費やした経験がありますので嬉しくはないでしょう。ただし、その時のノウハウもありますので不可能ではないと思います。
2021年以降にマイナンバーの紐づけを義務化する法律に改正する動きがあるようですし、政府の取り組み方から考えても、全ての預金口座がマイナンバーに紐づけられる方向に向いていく可能性が高そうです。
タンス預金はマイナンバー制度対策となるか
タンス預金はマイナンバー制度対策に有効な手段と言われることがありますが、果たして本当にそうでしょうか。先程お話ししたように、税務調査の対象となると税務署はマイナンバーがあるなしに関わらず入出金の履歴を確認します。
「タンス預金の残高」はマイナンバーとは紐づけられませんが、「税金逃れ」という意味でのマイナンバー制度対策には有効な手段ではありません。
また、多額の現金を預金口座に預けずに保管する方法はセキュリティの面、保障の面でもおススメできるものではありません。
まとめ 預金口座とマイナンバー制度についての確定事項は1つだけ
Denken / Thinking / Sebastiaan ter Burg
マイナンバー制度に関する様々な噂に振り回されるのはダメ
現状、預金口座とマイナンバー制度について確定していることは、「2018年度から任意で預金口座とマイナンバーを紐づける」というこだけです。
マイナンバー制度対策のために預金口座を急いで解約するといった必要は現状ないということが言えるでしょう。様々な噂が流れていますが、振り回されることなく本当の情報に目を向けることが大切です。
またこれからの時代、税金対策という面でのマイナンバー対策は、「資産を隠すのではなく、法律に則った節税を堂々とする」というスタンスが大切であるのではないでしょうか。
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