不動産投資で失敗しないための物件選びの秘訣
不動産投資をしようと考えている方はさらなる副収入を期待しているでしょうし、最初から失敗するとは思っていないでしょう。不動産購入前の大きなポイントである、不動産投資を成功に導く物件の選び方について解説していきます。
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目次
安定した家賃収入を得るためには、立地と価格が最優先
不動産投資のリスクの一つに、空室リスク<詳細は「不動産投資のメリット・デメリット」>があります。空室リスクは家賃収入に直結するため、できる限り避けなければなりません。また物件価格が高いと、資金回収に時間がかかるだけでなく、売却益を得るのも難しくなります。
空室リスクを避けるためには、賃貸物件の需要を把握しなければなりません。賃借人(借主)の属性や不動産の種類で賃貸物件の需要が異なります。
<賃借人(借主)の属性と不動産の種類>
賃借人(借主)の属性 |
種類 |
特徴 |
大学生・大学院生 |
ワンルームマンション (又は棟建て) |
入居時期と退去時期がほぼ同じで、大学生であれば4年間借りるため収支予想しやすい。大学周辺か最寄り駅近くは需要が高い。 |
社会人(独身) |
退去時期は結婚や転勤などで予想しにくいが、通勤に便利な立地条件を選ぶことで、空室リスクを軽減できる。 |
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二人世帯(子どもなし) |
ファミリーマンション (又は戸建て) |
ワンルームマンションに比べ物件価格は高い。子供の誕生とともに手狭に感じ、住宅購入のため退去する可能性が高い。子供部屋付きの物件の場合、さらに価格が高くなり、入居期間は長いが、ワンルームマンションに比べ、利回りが低い。通勤に便利であることはもちろん、周辺環境も重要となる。 |
三人世帯(子どもあり) |
これから不動産投資を始める場合、利回りが比較的高いワンルームマンションがよい。中古であれば物件価格も高くないため、様々なリスクも軽減できます。立地さえよければ空室時に心配する必要がなく、価格が低ければ売却して投資をやめることもできるので立地と価格は最優先事項となります。
空室リスクを回避するなら東京都
人口が少ない場所の物件を購入しても借り手がなかなかつかないことは簡単に想像がつきます。空室リスクを回避するなら東京都しかなく、条件次第で、千葉県や埼玉県など東京都周辺地域となります。
出典:「住民基本台帳2016」
「住民基本台帳」の人口移動報告では、転入超過・転出超過の都道府県を調べることができます。上記の資料で転入超過になっているのは、東京都をはじめ、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、福岡県の6都県しかなく、残りはすべて転出超過となっています。
最初は中古のワンルームマンション(区分所有)から
新築マンションと中古マンションには、それぞれ長短ありますが、不動産投資の第一歩は中古マンションをお勧めします。まずは、新築マンションと中古マンションを比較した次の表をご覧ください。
<新築マンションと中古マンションの比較>
新築マンション |
中古マンション |
|
価格 |
△ |
〇 |
人気 |
〇 |
△ |
利回り |
△ |
〇 |
維持費 |
〇 |
△ |
資産価値 |
〇 |
△ |
中古マンションは新築マンションと比べ、人気、維持費の負担額、資産価値では劣りますが、価格と利回りでは新築マンションより優れているので、初期投資額が少なくて済みます。また賃貸物件の需要は25歳未満が多く、ワンルームマンションの賃貸需要が高いことがわかります。
出典:国土交通省「2015年度 住宅経済関連データ」
中古マンションでは修繕費の計画を十分にしておき、賃貸需要のある地域であれば空室リスクを軽減することができます。そのような意味で、初めて不動産投資をする方に向いていると言えます。
物件比較のために利回り計算をする
物件選びの秘訣の一つに、利回り計算をして判断する方法があります。利回り計算は、<「不動産投資に向けて収支計画を立てよう」>で表面利回りを紹介しましたが、実際に物件を比較するときには、NOI(実質利回り)を使います。両者の違いについて解説します。
<表面利回りと実質利回り>
計算式 |
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表面利回り |
年間賃料収入÷総投資額×100 |
実質利回り |
純収益(年間賃料収入-諸経費)÷(総投資額+諸費用)×100 |
両者の違いは、経費を考慮しているかどうか、実質利回りは固定資産税や管理費用、修繕費や保険料などの諸経費、不動産取得税や不動産会社への手数料などの諸費用を含めて計算するのでより実態に近い利回りを算出することができます。
以下の物件例で両者の違いを確認してみましょう。
物件例 |
総投資額 3,000万円 |
年間賃料収入(満室時)240万円 |
保有時諸経費 30万円 |
購入時諸費用 200万円 |
- 表面利回り=240万円÷3,000万円×100=8%
- 実質利回り=(240万円-30万円)÷(3,000万円+200万円)×100≒6.56%
表面利回りが8%であるのに対して、実質利回りで求めると7%切ります。不動産情報は多くの場合、表面利回りで掲載されています。表面利回りが同じ不動産でも、実質利回りで計算するとその収益性は異なる場合が多いので注意が必要です。
ただ実質利回りにも欠点があります。それは諸経費や諸費用を調べなければならないことです。物件の収益性について瞬時に知りたい場合、表面利回りの方が簡単に計算できます。諸経費や諸費用があまり変わらない物件や地域であれば表面利回りを使うことができます。利回りの性質を理解し、使い分けることになります。
ネット情報と直接情報
ネット情報は文字通りインターネットを経由して得られる不動産情報ですが、直接情報は不動産会社から直接紹介してもらう情報です。最初はインターネットで情報を入手しつつ、対象となる都道府県や地域、利回りの算出など、相場観や経験を養うために調べます。
情報収集に関しては、<「不動産投資を副収入とするために必要な準備とステップ」>で紹介しましたが、セミナーに参加してさらに不動産情報を入手して経験を積みます。
<投資用不動産 掲載サイト(例)>
- 楽待 収益物件数73,486件 http://www.rakumachi.jp/
- 健美家 収益物件数44,726件 https://www.kenbiya.com/
- HOME’S 収益物件数 16,600件 http://toushi.homes.co.jp/
ネット情報に関しては、多くの投資家が閲覧できることから、お得な物件があるとは限りません。物件選びの段階であれば、セミナーに参加した際により具体的に話を聞くことができ、どのような物件がほしいか伝えておけば紹介してもらえます。
統計データを活用し、ターゲットとなる地域を絞る
賃貸需要は、統計データを活用することでその動向を調査することができます。統計データは、年齢別や収入別、世帯の種類別など様々な角度から調査をしています。不動産投資で失敗しないためには、ある程度の情報量が必要ですので、これらの統計データを駆使し、副収入源として信頼できる不動産を選びましょう。
5回にわたり、副業としての不動産投資について解説してきました。一定以上のリターンを求めるには、リスクを負う必要があります。信頼できる不動産会社や管理会社を見つけることも不動産投資をする上で欠かせない要素です。これらの記事がお役に立てたら幸いです。
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